アパートやマンションの老朽化は避けられません。多くの大家さんは経年変化や自然損耗のために時代遅れになってしまった建物に悩みます。思わぬ修繕費が次々とかかり、空室や滞納問題、そしてクレームにも悩まされます。
その結果、建替えや売却を選択した場合に、どうしても直面するのが立退き問題です。
しかし、ご承知の通り「建物が古くなったから出て行って欲しい」「建替えるから引越しして欲しい」と言っても、入居者にもいろいろな事情や言い分があります。
よく「契約書の【特約】に“建て替え時には立退き料を請求せずに出て行く”と入れてあるから大丈夫だと思った。」というトラブル事例も聞きますが、大家さんに一方的に有利(入居者に不利)な条文は無効となる旨が【借地借家法】に明記されておりますので、契約書どおりに行かないのが現状の立退き事情です。過去の立退きの解決例や判例には例え、似たようなケースがあったとしても、その事案について個々の事情、解決までのプロセスが千差万別で考慮要素が膨大で、しかも、感情・人間関係・家族関係などの計算式に出てこない要素も含んでおりますので、参考程度にしかなりません。
また、裁判所も裁量によって判断する場合が多く、和解での解決が多いのが立退きの難しい理由です。何よりも裁判は【最終手段】であり、円満に入居者に退去の協力を得られるほうが何よりも、大家さんにメリットがありますのでよく、良くご相談下さい。
また、借地借家法は立ち退き問題を解決する上では必修の法律知識となりますので、併せて法的な趣旨も理解されることをお勧めいたします。